はじめまして、アミスタグローバルです。


このたび、東京都台東区の浅草駅近くに、アミスタ国際行政書士事務所を開業いたしました。

少し自己紹介いたします。
私は学生時代、スペイン語学に加えて、開発経済学を学んでいました。
そして、論文のテーマに選んだのが、メキシコの露天商でした。
メキシコシティのあちこちに露天商の集結している場所があり、犯罪などの危険と隣り合わせながら、エネルギーあふれるその場所が私にとってはとても魅力的でした。
振り返れば、私が初めて「行政」と「市民」とのかかわりをはっきりと意識したのは、露天商の調査を行っていたときでした。

当時、メキシコシティの露天商は家電や文房具、衣類など扱う商品ごとにグループを形成していました。
中には、専任の会計士を置くなど、まるで企業のように組織化されているものもありました。
政府はそういう露天商グループのリーダーと交渉を重ね、それぞれの活動拠点付近に市場を建設し、グループごとに入居を促す政策を打ち出していました。
露天商側は警察に排除される心配なく安心して営業できる一方、行政側は景観の改善、路上犯罪の抑制、経済統計への反映、税収の確保などを実現できる、というわけです。
ところが、物事はそこまで単純ではありませんでした。

今思えば、怖いもの知らずとしか言いようがありませんが、露天商が集まる市場をうろつき、リーダーに会わせて欲しいと露天商に直談判し、新聞で見かけた関係省庁には片っ端から電話をかけ、インタビューの約束を取り付けました。
すでに市場建設と移転の政策は始まっており、入居済みのグループと、交渉がまとまらず未入居であったグループの双方から話を聞くことができました。
親しくなって何度も話を聞かせてもらううちに、双方の思惑や課題が浮き彫りになっていきました。

露天商が不安定な立場でいつづける理由はさまざまです。
ルールに縛られず自由に商売がしたい、税金を払いたくない、海賊品を扱っているため堂々と商売できない、雇用のあてがなく自営するしかない……。
そして、その背景には行政の問題もありました。
正規に商売を始めるには手続きが煩雑で許可が出るのがいつになるかわからない、汚職がひどくお金を払わないと手続きが進まない、などです。
政策や制度が人びとの経済活動や暮らしにどのように作用するのかを、肌で感じた経験でした。

行政法を学ぶと、日本でも、行政手続きの透明性や公正さを担保するために、年月をかけて法制度が整えられ、改善されてきたことがわかります。
それでも、手続きの中には難しいもの、専門家の知識や経験が手助けとなるものがあります。
そんなときに頼りにしていただける行政書士になれるよう、日々学び続けていきたいと思います。


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