「知的財産推進計画2026」は、2025年12月から議論が本格化し、2026年の春から初夏あたりに閣議決定される予定の、現政権の重点施策の一つです。高市首相は、日本のコンテンツ産業を「半導体産業に迫る海外市場規模を持つ、日本の戦略産業」と位置付けています。
現在は、2025年12月1日から2026年1月7日までの期限で、意見募集(パブリックコメント)を実施中です。
また、12月22日には、村上隆さん、押井守さん、デーモン閣下、氷室京介さん、こっちのけんとさんら、コンテンツ業界で活躍するアーティストと、高市首相との意見交換会が行われてニュースとなりました。
「知的財産推進計画」とは
2003年から毎年策定されており、知的財産戦略本部が「知的財産基本法」に基づき、創造・保護・活用のための基本方針を定めているものです。
「知的財産推進計画2026」の3つの骨子
今回の計画では、特に以下の3つの点を重視しています。
① AIと知的財産権
生成AIの急速な普及を受け、「技術の進歩」と「権利の保護」をどう両立させるかが最優先課題とされています。
- 透明性の確保
AIの学習データの取得経路や、生成物にAIが使用されているかの開示(透明性)を確保するための技術的・法的検討。 - クリエイターへの対価還元
AI学習を原則認める現行法(著作権法 第30条の4)の解釈を巡り、クリエイターの利益が不当に害されないためのガイドラインや契約ルールの具体化 - AI発明の定義
AIが関与した発明の「発明者」の定義など、特許法 第2条に関連する法改正を視野に入れた議論
② コンテンツ戦略
「新クールジャパン戦略」と連動し、次のようなコンテンツ戦略を立てています。
- 20兆円市場の達成
2033年までに日本発コンテンツの海外市場規模を20兆円に拡大するための基盤整備 - 海賊版対策の国際連携
海外サーバーの海賊版サイトに対し、外国当局との協力や広告停止などの実効性ある法的措置を強化
③ 知財の「保護」と「活用」の高度化
- 技術流出の防止
国境を越える特許侵害(越境侵害)に対し、国内法をどう適用するか等の明文化 - スタートアップ・大学支援
知財を担保とした融資の促進や、高度な知財人材を企業へ送り込む「人への投資」を加速 - イノベーション拠点税制(イノベーションボックス税制)の活用
2025年4月施行の税制を促進し、国内の研究開発拠点を維持
日本新聞協会による「新たな法整備」への訴え
12月23日、日本新聞協会は本計画の意見公募に対し、踏み込んだ意見を発表しました。
報道コンテンツが生成AIに無断利用されている現状を重く受け止め、現行法の限界を指摘しつつ、新たな法的義務化による実効性のある保護を強く求めています。
参考
- 高市首相がこっちのけんとさん、デーモン閣下さんらと会談https://news.yahoo.co.jp/articles/de9013118e9257398041f21e2ede59550fe03386
- 「知的財産推進計画2026」の策定に向けた意見募集
https://form.cao.go.jp/chitekizaisan/opinion-0018.html
- 知的財産推進計画の検討体制とスケジュール
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/2026/dai1/shiryo1.pdf
- 「知的財産推進計画2026」の策定に向けた意見https://www.pressnet.or.jp/statement/broadcasting/251223_16070.html
- イノベーション拠点税制(イノベーションボックス税制)についてhttps://www.meti.go.jp/policy/tech_promotion/tax/about_innovation_tax.html
